海外ではドレッドヘアのことを、「ドレッド」「ドレッドロックス」と呼ぶ人と、「ロックス」と呼ぶ人がいます。これらは違うものなのでしょうか?どちらかが正しく、どちらかが間違っているのでしょうか?今回はそれを検証してみました。
【ドレッドとロックスは違うもの?】
ドレッド(dread/dreadlocks)とロックス(locs/locks)は、物理的に同じものを指します。つまり、髪が絡んで収縮し、ロープのような房状になったヘアスタイルのこと。同じものを違う名でよんでいる...ということです。
呼び方の正誤・優劣・決まりがあるわけではなく、好きなように呼んでいいのです。単に慣れている方で言っている人も多いでしょう。
しかし、人によっては強いこだわりを持って、呼び方を選んでいる場合もあり、どちらが正しいかで互いに論争になるケースもあるようです。
【それぞれの理由】
呼び方にこだわりをもつ理由は、人それぞれに違いますが、以下は代表的な一例です。
{ドレッド/ドレッドロックス派}
・ドレッド(dread/dreadful)という言葉は「恐れる」「怖い」という意味がある。しかしそれは、自然や聖なる存在を尊いものとして「畏れる」という意味でもあり、畏怖と尊敬の念がこもっているから。
※ドレッドヘアで有名なラスタは「自然な状態こそ最も尊い」としており、基本的に髪を切ったり梳かしたりしません(洗髪はする)。結果、自然に髪がドレッド状になります(フリーフォーム参照)。それが、この理由のルーツになっている...と管理人は考えます。
・過去に活躍した勇敢な戦士達が房状の髪をしており、その姿が怖い(dreadful)と恐れられていた。つまり、ドレッド(dread/dreadlocks)という言葉からは、立派な戦士を連想させるから。
{ロックス派}
・ドレッド(dread/dreadful)という言葉には、房状の髪を見た人達が「怖い」「恐ろしい」と言って、蔑むようなマイナスの意図がこもっているから。
【結果的には...】
つまりは「dread」という言葉の解釈によって、意見が分かれています。両者が論議される際は、房状の髪型そのものの起源や、それが「dread」と言われるようになった起源が、持ち出されることがあります。しかし、その起源は諸説があり、「これが最初です」と明記するような確実な文献などの証拠が存在するわけではないので、「どれが正しい!!」と特定することはできません。
【終わりに...】
たかが名前されど名前...ということで、時には論争になる「ドレッド派」と「ロックス派」。しかし、「別に呼び方はどうだっていい!同じ髪型なのに名前で分断しあうことの方が問題!」や「ドレッドもロックスも英語。他の国にはまた違う呼び方もあるんだからそこでモメても意味ない!」という意見もあります。
ちなみに管理人の個人的な意見としては、ドレッドでもロックスでもJataでも、好きなように呼ぶのが一番だと思います。なんならペットの犬や猫のように、愛称をつけてもよいでしょう(笑)。
自分が何かを信じたり誇りをもったりすることは問題ないと思うのですが、それを人に強制するのは違うと考えています。どの名前を選ぶかによって命にかかわるのなら別ですが、そうでなければ互いの意見を尊重するのが最善だと思います。