現在、「ドレッド」は多くの人々に知られている髪型であり、人種・性別・年齢を問わず、世界中で愛好されています。きちんとした知識があるかは別として、「ドレッド」と聞けば、どんな髪なのかたいていの人は想像できるでしょう。
では、その「ドレッド」という呼び名が、どこからやってきたのかはご存知ですか?
【そもそもドレッドとは?】
ドレッドとは、髪の毛がランダムに絡み合い、縄のような房状態になったヘアスタイルのことです。「洗えない」と誤解している人は多いですが、本当は洗うことができます。また、どんな髪質でもドレッドにすることは可能です。
【いつどこで誕生した?】
「髪の毛を房状にする」という風習自体は、紀元前からあったと言われており、世界各国に諸説があります。そのため、「いつ」「どこで」という起源を特定するのは難しい状態です。(詳しくはドレッドヘアの歴史参照)
【ドレッドという名の由来】
そして、「房状になった髪」が「ドレッド」(dreadlocks)と呼ばれるようになった由来ですが、正確に断定するのは難しいものの、次の説が有力なようです。
・ラスタの蔑称
「ラスタ」とは、1930年代にジャマイカで発足した宗教的思想およびその信仰者を指します。ラスタ信仰者達は、「自然な状態を敬うべき」という思想から、髪にハサミなどの刃物を使わず、房状にしていました(※)。その外見を信仰者ではない人々が見て、「dreadful」(恐ろしい)「lock」(髪が絡んで解けなくなった状態)と呼び、見下していたのが始まり、と言われています。
※髪は、清潔にしつつクシを使わないで入ると、自然にドレッドになります。(詳しくはフリーフォーム参照)
・マウマウ団
1950年代のケニアにおいて、イギリスの植民地政策からの独立活動を行っていたキクユ族を中心とした組織があり、「マウマウ団」と呼ばれていました。「マウマウ団」の構成員の中には、房状の髪型をしている者がおり、外部の人々がその様子を見て、「dreaded locks」(絡んで房状になったとても恐ろしい髪)と呼んだのが始まり、と言われています。
【ドレッドが世界中に広まったきっかけ】
そのドレッドが世界に広まったきっかけは、レゲエの神様でありラスタ信仰者であるボブ・マーリーです。1970年代、ボブ・マーリーの音楽が世界でブレイクすると共に、彼の髪型「ドレッドロックス」は強烈なインパクトを与え、ラスタ思想と共に広く知られるようになりました。
↑ボブ・マーリー
以降ドレッドヘアは、ヒッピー・ヴィーガン・サーファー・ミュージシャン・スポーツ選手など、人種や性別を超えた様々な人々に愛されるようになっていきました。
【終わりに】
以上、「ドレッド」という名の由来は外見からきたもののようですが、そのヘアスタイルを巡る思想や歴史は、知れば知るほど興味が増し、「こんなに深い髪型も珍しいな」..と管理人は感じます。いかがでしょうか?